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【小説】タクティリス 正美編 第十一話

施術小説
02 /07 2021
小説「タクティリス」については、こちらをご覧ください。
タクティリス~正美編 第十一話

 夕食の支度を始める時間になっていたが、正美はサイトを閉じられずにいた。高木アゲハのプロフィール写真は、他のホストたちと違ってスタジオでポーズをとっているような華やかさがまったくなく、証明写真のように硬い表情をしていたせいか、逆に彼の人間性を映し出しているように思えた。

少し頑固で、たぶん笑うと子供のような笑顔を見せてくれるような気がした。自分が女としてどれほどの価値があるのかを知りたいと思って、ホストのサイトを開いた当初の目的からまったく違う方向に向いていることに正美は、苦笑した。

彼と会って自分はなにを得たいのだろう。

答えのない問題をといているような感覚の中、メールの受信を告げる振動音がなった。夫からだった。

《食べて帰る》

会社の同僚や仕事関係の人と飲みに行って、家での夕食が必要ではないときは、必ず連絡をして欲しいと言っているので、必要最低限の言葉でメールが届く。当初は、帰宅時間や一緒に行く相手のことなども書かれていたが、今は一度使ったメールをそのまま再送してくるだけだ。

夫からすると妻と関わる時間はとても無駄のように思っていて、なるべく省略したいのかも知れない。正美の方も週に二回ほど送られてくる機械的なメールをみると不思議と一日の仕事が終わったような気がして安堵していた。毎日、このメールを送ってくれたらいいのにとまで考えていた。

ホストのサイトは、メールの操作をしているうちに自然に閉じられていた。



アゲハというホストのプロフィールにあった趣味:仏像鑑賞という言葉をみたせいかどうかはわからないが、正美は、平日のパートの休みを利用して高野山にある金剛峯寺に来ていた。目的は、その寺が所有している鎌倉時代の仏像、「木造執金剛神立像(もくぞうしゅこんごうしんりゅうぞう)」と「木造深沙大将立像(もくぞうじんじゃたいしょうりゅうぞう)」を観るためだ。

この仏像は、鎌倉時代に活躍した仏師快慶の作品だといわれていて、その躍動的なフォルムから放出されるエネルギーは、千年の時間を超越するものがある。正美が特に気にいっているのは、深沙大将(じんじゃたいしょう)像で、西遊記に出てくる沙悟浄にあたるとも言われている。

正美は、如来や菩薩のような心を静めてくれる仏像を鑑賞することが本来好きなのだが、人間の煩悩のようなものを形にしている彫刻はないかと探しているうちにこの仏像を見つけた。Mの施術を受けてから自分の内面や体に起きているこれまで経験したことのない感覚が気になったからだ。

深沙大将像は、如来や菩薩を静とするなら、あきらかに動の彫刻になる。特徴をあげるときりがないのだが、あえて一番を挙げるとすればへそが童子の顔になっているところかもしれない。顔の半分ほどに大きな口を開け、睨みつける顔を持つ像の腹部には、それとは対照的におだやかな童子の顔が浮かび上がっている。

正美は、自分もこんな二面性があると直感的に思った。

首には、七つのドクロで出来た胸飾りがぶらさがっている。これは七度生まれ変わったとされる三蔵法師のそれぞれの頭蓋骨を表しているそうだ。天竺を目指すというのは、人生そのものを表すことで、人間もその人生の中で七度生まれ変わっているのかも知れない。そう思いながら、Mとの出会いの前後を考えてみると正美自身もその時生まれ変わったような気がした。

自分はあのドクロで例えると何番目になるのだろうか。

更年期も始まろうかという年齢を考えてみると六番目か最後かなと思っているとふとアゲハのことを思い出した。彼は、まだ一つ目か二つ目に違いないと。

「すごいな」

その時、漏らしたような声が肩越しに流れた。振り返ると正美と同じぐらいの年恰好の男性が、連れの女性に話しかけていた。会話を聞くつもりはなかったが、夫婦の会話とは思えない遠慮のようなものが感じられた。

霊宝館は、平日の昼間に夫婦が訪れる場所としては似つかわしくなく、訳ありカップルには丁度いいのかも知れない。館内を見渡してみると小さな子供を抱えた母親とその親といったグループや外国人などが目立っていた。正美のような年齢の女性がひとりで訪れているのも珍しい。

正美は、Mやホストに刺激を受けて普段の生活のバランスを崩していたとはいえ、自分がわざわざ高野山に来ていることがおかしかった。自分はいったい何を求めて来たのだろう。目の前の仏像はなにも語らない。

◆第十話
◆正美編 トップ


2月17日より東京に行きます。詳細はこちら。



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前田貴久

生年月日 : 1963年9月6日
職業 : 性感マッサージ師
住所 : 大阪府大阪市中央区
自己紹介 :
はじめまして、前田貴久ともうします。

私は、性感マッサージのスペシャリストとしてセックスレスによる欲求不満や仕事のストレスでお悩みの女性を心身ともに癒しております。

施術は、ローションやオイルなどを一切使用せず、自然に分泌される愛液と口技による唾液を併用しながら、柔らかい指先と舌技により、独特の刺激を与えます。

流れとしては最初マッサージによって手先から肩や腰・背中、ふくらはぎ、足の裏など全身を重点的にもみほぐした後、ゆっくりとしたソフトタッチを髪の毛から始まり全身に施し、敏感になってきたところで口技と手技を併用し、絶頂を迎えていただきます。

女性としての悦びを存分に味わっていただければ幸いです。

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