コロナの影響がこんなところに……
つぶやき
リピーターさんの義理のご両親が自粛の影響で、大好きなパチンコに行けなくなってしまい、そのせいでそれまで元気だったお義父さんが急に物忘れがひどくなったり、お義母さんに対する依存度が高くなっているという話を聞きました。
コロナの影響で経済が大変な状況になり収まってから倒産や夜逃げ、失踪、自殺などが問題になるだろうなと予測していましたが、経済だけでなくもっと身近なところに弊害があるのだということを知り、改めて恐ろしいなと思いました。
たぶん高齢者だけに限らずいろんなシチュエーションでそれまでなんとかバランスを保っていた家庭が崩壊していく、あるいはすでにバランスを崩して大変な状況になっている家庭もあるかも知れません。
ワクチンの接種も近々始まりそうですし、コロナの脅威が脅威と思わなくなる日が一日も早く来て欲しいと思います。
タクティリス~正美編 第十五話
5
アゲハと出会った翌週、正美のほうから飯塚さんをランチに誘った。信じられない偶然とその時に抱いた気持ちを聞いてもらいたかったからだ。
マンションのエントランスで待ち合わせて地下鉄に乗り、梅田のホテルへと向かった。手ごろな値段で提供しているランチバイキングが目的だ。目移りするような料理が並べられ、飯塚さんの勢いに押されながら正美もバイキングを楽しんでいた。料理や子供のことで話が盛り上がっているうちにあっというまにデザートを取り分けるような時間となっていた。
テーブルに並んだスイーツを眺めながら、正美はアゲハとのことを考えていた。出会いから一週間が過ぎていたが、毎日ホストのサイトを開いてアゲハを見ていた。午前中の家事がひと段落したときもあれば、寝る前に覗くこともあった。ただ、予約をしようとは思わなかった。金銭的なこともあるし、自分がどうしたいのかが、わからなかったからかも知れない。
「それで正美さんは、どうしたいの?」
初めてホストのサイトを見たときから高野山の帰りの電車で偶然出会い、最後は一緒に立ち食いうどんまで食べたことをそのまま話した。サバサバした飯塚さんにしてみれば、ダラダラと細かく聞かされていることに少し苛立ちを覚えていたのかも知れない。
正美は、どうしたいのかがわからないから勇気を出して話したが、予期せぬ回答にとまどいと怒りが同時に湧き起こった。
「よくわからないけど、もう一度会いたいと思っているのかも知れない」
「じゃあ会えばいいじゃない」
小さな子供を抱えて離婚できる女と長年我慢をしながら生きていく女の違いが、はっきりわかる会話だった。
「会うだけなら誰にも迷惑をかけないと思うけどな」
Mに施術を依頼した時には、アゲハに対して抱いている葛藤などはなかった。女としてこのまま終わるのかも知れないという焦燥と喪失の感情が正美の心の中に渦巻いて、今にも溺れそうな状態だった。誰でもいいから自分を引き上げてくれたらという気持ちしかなかったからだ。
しかしアゲハに対してはまったく違っていた。長男の同級生に初恋をしているような気持ちだった。時間に余裕が少しでもあるといつもアゲハのシルエットが脳裏に浮かんでいた。物腰が柔らかく話しやすい印象だが、たまに視線を何もない空間に落とす時に感じる冷たさや寂しさのようなものが笑顔と交互に蘇ってくる。
予約をすれば明日にでも会えるはずだが、金銭でつながることに対して正美は大きな抵抗感を持っていた。経済的な理由もあったが、客とホストという関係で始まりも終わりも迎えたくなかった。正直な気持ちを飯塚さんに打ち明けたとしても、自分が納得できる返事が返ってこないことはわかっていた。納得できる回答など、初めからないからだ。
「正美さん、どうしたの? なんだか誰かが亡くなったときのような顔になってますよ」
飯塚さんは、ミルフィーユをほおばりながら、次ぎの皿に視線を向けながら言った。正美のことよりも目の前のスイーツのほうに関心があるようだ。
「飯塚さんは、いろんなホストと会ってるようだけど、好きになったりしない?」
以前も同じような質問をしたことを言った後に思い出した。
「まだ子供も小さいし、恋愛は邪魔臭いな。男と駆け引きするのは疲れるからね」
苺のムースにスプーンを入れながら答えていた。
恋愛などできる環境でないことは、自分自身が一番よくわかっているはずなのに、アゲハを想うときのときめきは、正美にとって麻薬のような存在になっていた。会わずに禁断症状が消えるまで、想い続けるのも選択肢に加えるべきかもしれないと、豪快にスイーツを平らげていく飯塚さんを見ながら小さな確信を得たような気がしていた。
「太るから食べるのを我慢するっていうのも、結局は正美さんが、アゲハくんと会おうかどうかを迷っていることと同じじゃないのかな。食べたいと思ったら食べて、思いっきり楽しめばいいんじゃない。体重が増えたら、またあとで減らせばいいだけだしね。一回、
食べただけで簡単に太れるものでもないと思うけど……」
飯塚さんの言葉を聞いた瞬間、正美は思った。結婚してからずっと我慢し続けていたことを。我慢をすることは、いい妻であり、いい嫁であり、いい母であるために絶対に必要なものなのだと疑問の余地すら無く過してきた。夫のため、姑のため、子供のためを思って我慢し続けてきたはずだが、もしかするとそれは全部自分の為にしてきただけだったのではないかという疑問が浮かんだ。
いい妻に見られたい、いい嫁に見られたい、いい母に見られたい。自分が他人から認められたいだけなのに、いつのまにか人のために頑張っていると勘違いしていたのではないか。
一度、アゲハに会ってみよう。今の正美にとって自分が素直になれる場所は、そこしかないのではないか。口の周りの生クリームを長い舌で掃除している飯塚さんを見て確信した。
◆第十四話
◆正美編 トップ

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コロナの影響で経済が大変な状況になり収まってから倒産や夜逃げ、失踪、自殺などが問題になるだろうなと予測していましたが、経済だけでなくもっと身近なところに弊害があるのだということを知り、改めて恐ろしいなと思いました。
たぶん高齢者だけに限らずいろんなシチュエーションでそれまでなんとかバランスを保っていた家庭が崩壊していく、あるいはすでにバランスを崩して大変な状況になっている家庭もあるかも知れません。
ワクチンの接種も近々始まりそうですし、コロナの脅威が脅威と思わなくなる日が一日も早く来て欲しいと思います。
タクティリス~正美編 第十五話
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アゲハと出会った翌週、正美のほうから飯塚さんをランチに誘った。信じられない偶然とその時に抱いた気持ちを聞いてもらいたかったからだ。
マンションのエントランスで待ち合わせて地下鉄に乗り、梅田のホテルへと向かった。手ごろな値段で提供しているランチバイキングが目的だ。目移りするような料理が並べられ、飯塚さんの勢いに押されながら正美もバイキングを楽しんでいた。料理や子供のことで話が盛り上がっているうちにあっというまにデザートを取り分けるような時間となっていた。
テーブルに並んだスイーツを眺めながら、正美はアゲハとのことを考えていた。出会いから一週間が過ぎていたが、毎日ホストのサイトを開いてアゲハを見ていた。午前中の家事がひと段落したときもあれば、寝る前に覗くこともあった。ただ、予約をしようとは思わなかった。金銭的なこともあるし、自分がどうしたいのかが、わからなかったからかも知れない。
「それで正美さんは、どうしたいの?」
初めてホストのサイトを見たときから高野山の帰りの電車で偶然出会い、最後は一緒に立ち食いうどんまで食べたことをそのまま話した。サバサバした飯塚さんにしてみれば、ダラダラと細かく聞かされていることに少し苛立ちを覚えていたのかも知れない。
正美は、どうしたいのかがわからないから勇気を出して話したが、予期せぬ回答にとまどいと怒りが同時に湧き起こった。
「よくわからないけど、もう一度会いたいと思っているのかも知れない」
「じゃあ会えばいいじゃない」
小さな子供を抱えて離婚できる女と長年我慢をしながら生きていく女の違いが、はっきりわかる会話だった。
「会うだけなら誰にも迷惑をかけないと思うけどな」
Mに施術を依頼した時には、アゲハに対して抱いている葛藤などはなかった。女としてこのまま終わるのかも知れないという焦燥と喪失の感情が正美の心の中に渦巻いて、今にも溺れそうな状態だった。誰でもいいから自分を引き上げてくれたらという気持ちしかなかったからだ。
しかしアゲハに対してはまったく違っていた。長男の同級生に初恋をしているような気持ちだった。時間に余裕が少しでもあるといつもアゲハのシルエットが脳裏に浮かんでいた。物腰が柔らかく話しやすい印象だが、たまに視線を何もない空間に落とす時に感じる冷たさや寂しさのようなものが笑顔と交互に蘇ってくる。
予約をすれば明日にでも会えるはずだが、金銭でつながることに対して正美は大きな抵抗感を持っていた。経済的な理由もあったが、客とホストという関係で始まりも終わりも迎えたくなかった。正直な気持ちを飯塚さんに打ち明けたとしても、自分が納得できる返事が返ってこないことはわかっていた。納得できる回答など、初めからないからだ。
「正美さん、どうしたの? なんだか誰かが亡くなったときのような顔になってますよ」
飯塚さんは、ミルフィーユをほおばりながら、次ぎの皿に視線を向けながら言った。正美のことよりも目の前のスイーツのほうに関心があるようだ。
「飯塚さんは、いろんなホストと会ってるようだけど、好きになったりしない?」
以前も同じような質問をしたことを言った後に思い出した。
「まだ子供も小さいし、恋愛は邪魔臭いな。男と駆け引きするのは疲れるからね」
苺のムースにスプーンを入れながら答えていた。
恋愛などできる環境でないことは、自分自身が一番よくわかっているはずなのに、アゲハを想うときのときめきは、正美にとって麻薬のような存在になっていた。会わずに禁断症状が消えるまで、想い続けるのも選択肢に加えるべきかもしれないと、豪快にスイーツを平らげていく飯塚さんを見ながら小さな確信を得たような気がしていた。
「太るから食べるのを我慢するっていうのも、結局は正美さんが、アゲハくんと会おうかどうかを迷っていることと同じじゃないのかな。食べたいと思ったら食べて、思いっきり楽しめばいいんじゃない。体重が増えたら、またあとで減らせばいいだけだしね。一回、
食べただけで簡単に太れるものでもないと思うけど……」
飯塚さんの言葉を聞いた瞬間、正美は思った。結婚してからずっと我慢し続けていたことを。我慢をすることは、いい妻であり、いい嫁であり、いい母であるために絶対に必要なものなのだと疑問の余地すら無く過してきた。夫のため、姑のため、子供のためを思って我慢し続けてきたはずだが、もしかするとそれは全部自分の為にしてきただけだったのではないかという疑問が浮かんだ。
いい妻に見られたい、いい嫁に見られたい、いい母に見られたい。自分が他人から認められたいだけなのに、いつのまにか人のために頑張っていると勘違いしていたのではないか。
一度、アゲハに会ってみよう。今の正美にとって自分が素直になれる場所は、そこしかないのではないか。口の周りの生クリームを長い舌で掃除している飯塚さんを見て確信した。
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